スペイン自転車の旅

スペイン自転車の旅
何となく書店で手にとったこの本。まえがきを読んでそのまま購入してしまいました。
「スペイン自転車の旅」みれっと・ゆみこ著 
まえがきより一部抜粋
「いつの頃からか旅に出たいと思うようになっていました。
勤め始めて数年が経ち、学生時代の友人はみな軌道に乗ったというか、忙しいなりに仕事を楽しみ、どんどん出世しているようでした。
その中で一人私は取り残されてしまいました。好きな仕事を見つけられず、会社と家との往復生活に馴染むことができませんでした。かといって友達はみな仕事で忙しいので、遊んでくれる人もいないまま「自分はいったい何がしたいの」と考え始めてしまったのです<中略>夫であるデービットはそれなりに仕事を楽しんでいたのですが「一人でも絶対行く」と決めた私を見て、彼も仕事を辞め一緒に行くことになりました」


自転車に関する知識がほとんど無い2人がスペイン旅行のために思いつきで選んだ自転車はなんと「タンデム」。
マドリードの空港で直接配送で受け取りその場で組み立ててみると後ろにつける荷物用トレーラーを含め4メートル程の長さに。さすがに自転車好きなスペイン人も「なんて勇気があるんだ・・・」と2人を羨望の眼差し(?)で眺める始末。自転車の知識があったらぜったいあり得ないハチャメチャなことを繰り広げるお2人なのですが、スペインの何でもない日常生活の描写に心が温まる作品です。
ロードレースファンの期待に答えられる内容とは方向性が異なりますが、人生の寄り道がしたくなった時にはお薦めです。